新入社員奮闘記⑤

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社長「クサビの勾配をきつくしたら、材料に伝わる力が大きくなるよ」

前回は 社長の指摘で終わりました。

指摘をいただいた後、社長に「楔(クサビ)」について教えていただきました!

 

クサビとは何なのか

一般的に断面が鋭いV字形をした木片や金属片のことです。

木や石を割ったり、下に差し込んで重い物を持ち上げたりするのに利用されます。

下図の青色で示したものがクサビです。

左図のように、割れ目に打ち込まれたクサビをたたくなどして力Fを加えると、クサビの両面に垂直な力F₁とF₂とに分解されて両側の物体に伝わります。

右図のようにクサビの頂角が小さいとF₁とF₂はFよりもはるかに大きい力になります。

これらは両刃のクサビなので、今回作製した治具と見た目は違いますが、基本的な原理は同じです。

 

どんな力が働いているのか

ワークを取り付けた治具の断面です。加工される材料の事をワークといいます。

区別するために、治具のパーツにA、Bと名前を付けておきます。

 

ワークが固定されるには、Aからワークに向かって、赤矢印の方向に力がかかっている必要があります。

Aには上から下に力をかけているのに、なぜ右側に向かって力が働くのでしょうか?

Aを押し下げると、力はAからBに接している面と垂直の方向に伝わります。

 

 

このとき、BからAにも、等しい大きさの力(垂直抗力)がかかっています。

  

 

この力は、以下のように水平方向、鉛直方向に分解できます。

 

 

 

このとき、上に向かって働く力は、Aを押し下げる力とつりあっていて、

残りの右に向かって働く力が、ワークに伝わります。

このようにして、クサビは上から下に押し下げる力を横方向の力に変換しています。

 

 

クサビの角度を変えると、どうなるのか

社長は「クサビを鋭くすると、もっと力が伝わりやすい」と言っていました。

クサビを鋭くするということは、今回の図で見ると、AとBの接する面の傾斜がきつくなるということです。

なぜ、傾斜をきつくすると力が伝わりやすくなるのでしょうか。

実際に傾斜の違うパターンを図にして、力の働きかたを考えると、このようになりました。

Aを押し下げる力が同じでも、

傾斜の角度がきつくなるにつれて、水平方向に働く力が大きくなっていることが分かります。

社長の言っていたことはこういうことだったのではないかと思います。

 

 

説明が下手ですみません

わかっていただけたでしょうか。。汗

本やサイトでクサビのことをたくさん調べましたが、非常に難しかったです。

本当はもっとあらゆる方向に力はかかっていて、とても複雑な機構なのです。。。

情報量が多すぎて、今回の奮闘記にも、本当に表面的な情報しか書けませんでした。

クサビについて最低限の仕組みが伝わってさえいれば、幸いです、、

 

高校の途中で理系科目から離れた私ですが、興味はずっとありました。

こんな形で、社会人になってから、理系の分野に触れることができて、とてもうれしいです✨

クサビ機構をはじめ、そのほかの必要な力学については、個人的に継続して学習していきます👦

 

相当長くなってしまいました。

最後までご覧いただき、ありがとうございました✨

次回は、クサビの続き。

仕組みはお伝え出来た(気がする)ので、次回はクサビ機構が使われている、当社のチャックのことなどを発信できたらと思っています👦

 

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